135. 黙れ、恙あれ、幸なかれ

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黙れ、恙つつがあれ、幸なかれ


 空洟からばなを吸い込む健康体は黙れ。

 長崎の断崖で敵かたきの肩を押すように、
 怪力で抽斗ひきだしを閉める掌に てのひら 恙あれ。

 全身を委ゆだねる気は毛頭ないまま、
 一分一秒の用なしを惜しみながら、
 斜方投射の腕を上げる君に幸なかれ。


 溜息ためいきに紅べにを差す健康体は黙れ。

 戴いただかざる天から雷を落とすように、
 喧々けんけんとタイプする中指に恙あれ。

 等身大を晒さらす気は毛頭ないまま、
 高らかにルッキズムを誹そしりながら、
 パスカルと契ちぎりを結ぶ君に幸なかれ。


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