193. 十一月中旬、隣り、創傷

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十一月中旬、隣り、創傷


 テーブルひしめく受験会場。

 答案を提出したいのに、
 誰も譲ってくれないみたい。

 試写会に行った応援団長。

 大声じゃ言えない作品概要。

 横の旧友は気を悪くした。


 帰路の左手は海の水光すいこう。

 姿勢正しく自転車をぐ、
 てない医療劇の主人公。

 鬼哭啾啾を きこくしゅうしゅう 顧みず漕ぐ。


 巨匠だ何だと書かれた板。

 老いた電車の最期の名前よ。

 引率してくれた青年団長。

 爽やかな彼の目をいざないたい、
 細いみつぎ醜腿しゅうたいの蜜。

 ガーゼで涙を拭くなよ。


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