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一月中旬、謀り、孤軍
オレンジ色の水性ペンで、
大事なコンペの参加表明。
突き返された書類の下部、
氏名欄の品字様が不明確。
ともあれ屋敷の主が死んだ。
音声と血文字で残されたのは、
ご丁寧な死に際のメッセージ。
それを解読できるかどうかが、
今後の卯建を左右するようだ。
そうと決まれば考えないと。
下屋で見つけた新聞記事。
何かのヒントにならないか。
書斎で見つけた走り書き。
私のレビューにならないか。
相関図が揺らす神経回路へ、
ベテラン勢の不意の冷やかし。
プラスチック製の赤いカードで、
ライバル同士が手を組んだらしい。
そこへ駆けつけた使用人ら。
全員が葬儀に招待されて、
パソコンが並ぶ情報室へ。
個別ブースで再生される、
隠し撮りの全サプライズ。
どうやら主はかなりの悪党。
私を囲んでいる使用人一行は、
暫しの絶句から恨み節の唱和。
後ろめたいことがあったのか、
家令が対峙して囂々の舌戦に。
「地獄へ落ちろ、地獄へ落ちろ」
「君たちは転職先を探さないと」
記憶は朧な一心同体。
一匹狼の光明に帰属。
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