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餌薬の餌食
怪気炎を上げるインフルエンサーが、
生活苦と贅沢苦を履き違えた僕らに、
本日も美味そうな餌をちらつかせる。
運命の皮を被った確証バイアスには、
マンネリ化の兆しを感じ取る僕らも、
その餌に仕込まれた針に気づけない。
それもそのはず正に費やせる金銭は、
皮膚科と薬局で支払う負の維持費に、
清潔感の安い演出に費やせる時間は、
夜もすがら裏切られた湿疹のケアに、
蕩尽して一向に差が埋まらないのだ。
無駄な努力には無駄に慣れているが、
所詮は温室育ちの繊弱な僕らだから、
最小限のリスクで小腹を満たしたい。
だから僕らは徒労の才を揮いながら、
温々としたビニールハウスの片隅で、
本日も熟れる確証のない餌を食らう。
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