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無意義な一夜
惰眠の誘惑に負けた日曜を葬って、
月曜未明、惰性で空をカットする。
淡いブルーライトで左眼を焼けば、
R15のグロテスクなワンシーンも、
暗順応に狂う右眼が暈してくれる。
懊悩のベッドにヒーローは来ない。
現実逃避なんて何時間も続かない。
不意に飛来するマイクロスリープ。
誰かに大声で怒鳴られて目覚める。
反省の色はなく大きな溜息を吐く。
詩になる夢なんて滅多に見れない。
それなのに逆らいたくて仕方ない。
意図的に落ちるマイクロスリープ。
蜩の声真似をするツクツクボウシ。
悪口に花を咲かせるスーツ姿の男。
追いかけ続けるのにも疲れてきて、
いつの間にか左眼も順応を極めた。
結局この夜も有意義に終えられず、
1円の価値もない廃れたカットの、
1枚1枚は灰燼に帰してしまった。
そんな無為にすら喰らい付く獣が、
頭のどこかに潜んでいる気がする。
仕様がないから不可視なそいつが、
この月曜だけでも長らえることを、
静かに祈って午前4時を迎えよう。
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