=================== 暑気あたり 不測の事態に飽きた人々が、 梅雨明けの日射しを奪い合うように、 わらわらと動き出したようだ。 言うまでもなく愚かな私も、 彼らより逼迫した低劣な事情により、 いそいそと独り腕を焦がした。 この熱で殺してほしいと思った。 何よりそれが丁度いいと思った。 動もすれば思い出に支配されそうで、 アルコール消毒に荒された甲で、 塩気の強いフラッシュを拭い去った。 なかったことにしたいと思った。 何よりそれが丁度いいと思った。 隙を突く陳腐な自動思考も、 物分かりのいいシャッフルに日和り、 すごすごと軽躁の陰に隠れた。 未だに努力家を志す頓馬は、 鵺的なエトセトラと心中するように、 だらだらと儚い南中に絡んだ。 ===================
コメント