69. ヒートショック

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ヒートショック


 どうにでもなれと思った冬。

 2、3秒だけ記憶をなくす。

 ボトルが頓狂な声を発した。
 ボディタオルが萎縮した。

 うっすら視界が回復した。
 同時に左半身がうずいた。

 ようやく思考が働いた。
 シャワーで生存を訴えた。

 面白い体験をしたもんだ。
 目頭を押さえて黙り込んだ。

 2、3の浅い裂傷はスルー。

 どうにでもなれと思った冬。


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