=================== アオスジアゲハ いつか祖母が道端で助けてあげた、 大蟷螂の末裔が上京して小洒落た、 求愛の次の次にざくざく喰われた、 結果として生を受けた一匹の彼が、 飄々とした足取りで攀じ登る壁は、 思い出を伴わない母校と結ばれた、 体制を重んじる海豚に指揮された、 遊園地の断末魔を響かせるだけが、 唯一の役割だと思い込んだ戯けが、 有酸素運動を経て見繕った儚げな、 夕涼みに託けて横目で見る健気な、 旅程に終点がないと悟って砕けた、 どうでもいい将来を憚って流れた、 不健康な汗の跡を抹消する白けた、 展開を黙殺した罰としての穢れが、 染みついた身体で仰々しく迎えた、 調子づいた日曜日の盲点で尽れた、 救いようのない鈍感な瞳が捉えた、 翠色の因果応報をその羽に湛えた、 蠱惑的なダンサーに私は身構えた。 ===================
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