=================== 惰力で走らす 午前午後の転寝も痩せ衰えてきた頃、 宥め賺す手間のかかる不遜な感情の、 百鬼夜行を規制するアルバムに酔う。 小部屋に籠もって両耳を塞げば、 直に喧噪は静まっていくだろう。 いわゆる健常者には認識されない、 鋭利な視線と賢しい言葉の狼藉に、 楯突く手立ては未だに見出せない。 殴る蹴るといった簡便な抵抗。 痛くない振りに涙する無抵抗。 易々と駟を蹴散らす弁舌を怪しむ、 私的な会話さえ心許ない朴念仁は、 後者を選択して腫れ瞼を掻き毟る。 熱めのシャワーで垢を落とせば、 直ちに痒みは引いていくだろう。 その前に少しだけジョギングをして、 想像の中だけでコンサートを開いて、 すれ違う同志らに声援でも送ろうか。 ===================
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