122. 九月中旬、誘い、粉飾

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九月中旬、誘い、粉飾


 ラグビーボールを1つなくして、
 責任転嫁するチームメイト。

 私が謝罪する運びとなり、
 監督の下へ駆け寄った。

 彼は怒号を飛ばすことなくして、
 お気に入りの選手に激励を。

 私は許される運びとなり、
 副監督の機嫌も取った。


 研究室に送致されて、
 酸素マスク似の実験器具に、
 発声するよう指示された。

 緊張感が送信されて、
 それでも物言わぬ研究員に、
 同級生の面影が見られた。

 彼らが主催している読書会の、
 名簿には私の名前があって、
 時間に余裕があったものだから、
 狭い部屋で数人と談話した。

 ある人が披露した自費出版の、
 題には「國園」某と なにがし あって、
 深い自己開示の返報は嫌だから、
 15時前にそっと抜け出した。


 各自の居場所に戻るべきとき、
 靴を紛失したことに気づいた。

 右往左往しているところに、
 幼馴染みの助け舟が着いた。

 何も語らない拳の中に、
 第1ボタンと第2ボタン。

 真意をただそうとした矢先、
 ゲートボールの打球音。


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