=================== 五月中旬、頻り、交錯 折り畳み車椅子と五月雨唱歌。 覚束ない軽業で線路を切った。 改装され立てのブックストア。 明かりに乏しい店員のステア。 階段を上がったら有名堂本店。 再会を看過した中学の同級生。 浪人生S君は三万円を強請る。 双生児K君は三人目を端折る。 「キッチン貸して。何か作ろう」 「皆にこの間おにぎり作ったよ」 (難しい参考書を抱えていたな) (ずっと前に観た話ばっかだな) 和書の棚に紛れた碧眼の迷子。 理由もなく手に取った啓発書。 ついこの前のカラオケの帰途。 無理に有耶無耶にした想い人。 ふいになる前に仕事しないと。 ===================
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