164. 五月中旬、頻り、交錯

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五月中旬、しきり、交錯


 折り畳み車椅子と五月雨さみだれ唱歌。

 覚束おぼつかない軽業かるわざで線路を切った。

 改装され立てのブックストア。

 明かりに乏しい店員のステア。

 階段を上がったら有名堂本店。

 再会を看過した中学の同級生。

 浪人生S君は三万円を強請ねだる。

 双生児K君は三人目を端折はしょる。

「キッチン貸して。何か作ろう」

「皆にこの間おにぎり作ったよ」

(難しい参考書を抱えていたな)

(ずっと前にた話ばっかだな)

 和書の棚に紛れた碧眼へきがんの迷子。

 理由わけもなく手に取った啓発書。


 ついこの前のカラオケの帰途。

 無理に有耶無耶うやむやにした想い人。

 ふいになる前に仕事しないと。 


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