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雑談に一縷
天に跼って歩くことに慣れた、
見飽きた世界に悪友が立った。
話す気のなかったことを強か話した。
鬱々とした味気ない吐露のはずが、
沸々とした大成への渇望に帰結した。
和らぐ気のなかった表情が和らいだ。
気の抜けた絶縁の無表情のはずが、
新しい肩書きと破顔一笑に帰結した。
能弁に見えて自信はなかった。
ただ昨今の病を忘れたかった。
悪友ママ曰く、芸術家たる者、
死にそうなくらいが丁度いい。
真っ当な生き方に反旗を翻し、
的を射た言い種に歓喜の返し。
図らずも飛来した将来展望が、
短針が歪むほど狂い咲こうが、
タワーマンションの太陽光は、
与太を吐かすなと叱咤怒号か。
その圧に怯んだ訳ではないが、
余熱を残したまま駅で別れた。
暇を潰し合って学んだことは、
何一つとして解は出なくとも、
伸びる背筋があるということ。
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