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水底より
唐突な救いの手を上手に掴めず、
温かいベッドに沈んでしまった。
沈没というよりは耽溺であった。
状況と引き金から築き上げたモデル。
その破壊と創造のせいで脳は蕩ける。
映画や小説として捻り出された架空の人生に身投げする日々は、
詩集や音楽に繋ぎ止められた救いようのない緩慢な危機だ。
万策尽きたと言わせないための虚勢だけで毎日をスワイプして、
牽強付会に終始しないための想定問答集には自戒のR指定。
手元にあるのは瑣事のマシンガンと、
この心臓だけを狙う弾道ミサイル。
申し訳程度の何十発の真贋を見極める暇もなく射出しては訝しむ。
気泡と見紛うほど覚束ない弾丸と、
最小限の呼吸で放つ青二才のライム。
思えば去年も揺れ動く太陽に許しを請わずして浮き草の下、
希薄な酸素を浪費しないように微動だにせず深泥に身を賭した。
指一本でも動かそうものなら関係者各位の全否定に帰着し、
手一合に絞られた脳細胞は最早ただのBB弾で色調が面映ゆい。
虚構や誤植、策を打ち落とす唐変木。
取り損ねた手を貫通した空砲の鉛毒。
機能不全のミサイルは動かせず、
意図的に誤射した言葉があった。
逃避などではなく忌避であった。
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