100. いつか謳う手が止まっても

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いつかうたう手が止まっても


 表現のための表現なんて、
 表現の質が下がるだけ。
 だから謳う手が止まっても、
 焦らなくたって大丈夫さ。

 そうは言っても何だかんだ、
 いつもみたいに好きな歌を聴いて、
 分厚いストーリーに入り込んで、
 辞典をさらさら眺めていれば、
 ぜろに戻れる体質だろう。


 表現のための表現なんて、
 表現が病に変わるだけ。
 だから謳う手が止まっても、
 嘆かなくたって大丈夫さ。

 そうは言ってもどうしても、
 スケジュール帳で踊り出す文字が、
 その後の創作のトリガーとして、
 有益な素材に思えるようなら、
 創作なんてめちまえ。


 いつか謳う手が止まっても、

 感情も論理も標本にして、
 零から英気を養えばいい。

 いつか謳う手が止まっても、

 大望たいぼうは死んだことにして、
 リアルを溺愛すればいい。


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