=================== 雨に凭れる 誰にもなれず、 彼にもなれず、 数奇にも藪の学者にもなれぬ、 凡愚な頭を持ち、 毒はなく、 滅して光らず、 傷の深化に学んでいる。 一々に詮ない問答と、 綺語のつもりの課題を投げ、 荒ぶる音を、 身分を壇上に生けずに、 即時、詩にし語り、 そして落屑。 小火が娯楽の浅いお前の、 立派な早打ちの法螺に似て、 妄りに病気のことを吐けば、 聞いて感動してやり、 罅に好かれた肌あれば、 引いて呪い手の多寡を問い、 終いに散りそうな自己あれば、 輪廻を嗤わなくてもいいと言い、 痛い怨嗟や虚妄があれば、 埋まらないまま耐えろと言い。 熾盛、この血は怠惰を囃し、 枕の滓は心を嬲り、 静かに照る曙光を淘げ、 染められもせず、 朱にもなれず。 向秋の折、 まだ血が足りない。 ===================
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