=================== 相対的剥奪を経て 十五、六で王道から弾かれた私は、 それなりに恵まれた環境において、 生きるか死ぬかの断崖の縁に立ち、 阿呆面で群がる野次馬を睨みつけ、 爛れ切った体を明日に放り投げた。 十九にしてようやく漂着した水際。 それなりに恵まれた環境において、 やるかやらないかの分岐点に立ち、 ぬるま湯に入り浸る健常者に対し、 疲れ切った心を日記に綴じ込んだ。 二十三で踏み入った理知的な集い。 それなりに恵まれた環境において、 できるかできないかの目測を誤り、 画面越しに嬲られる孺に成り果て、 窶れ切った己を揺籃に閉じ込めた。 ===================
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