158. ブラフチャージ

===================


ブラフチャージ


 眼光が変わった。

 声柄こえがらが変わった。

 釁隙きんげきたった一歩分を突いて、
 釁隙をはばからない狂った追撃。

 手を振り上げるべきだった訳で、
 声を張り上げるべきだった訳で。

 恵風けいふうの柔らかさは嵐の前の静けさで。

 和暢わちょうだまされた私の気も知らないで。

 一挙手一投足がブラフだった。いや、
 きっと本調子でむ気だった。

 慊焉けんえんたる私生活の戯れか。いや、
 慊焉たる食性の悪擦わるずれだ。

 次は動じない。いや、

 もう次はない。


===================

コメント

タイトルとURLをコピーしました