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忘れ種のラン
常温のドリンクに甘えがちな季節。
喧嘩腰のココアに蒸気は見えず。
不必要に身体が熱ってきたら、
燃焼と浄化、駆け算のお時間。
無辜の犬を従えた烏合の衆は、
日の入りの早さに屈したらしい。
習慣化目前のニューカマーは、
易々とコールド負けしたらしい。
計算が多分に楽になった。
か細い電子音でスタートを切ると、
走り回る子供らのランダムな軌道、
譲られて当然のベビーカーの軌道。
12時の方向、障壁を捕捉。
連ドラのオープニング宛らに、
高邁な隊列を組む若人の痼が、
公共の福祉に流されぬままに、
成体へと変態できるといいな。
11時の方向、光源を捕捉。
ゆとりある公道でフローを装うと、
立ち漕ぎする同期らの邪な前照灯、
目眩く対向車の自己奉仕的前照灯。
計算が少し複雑になった。
小石を擂り潰して信号を送れば、
睚眥の怨みなくノックダウン。
足し算の誤りを報知するような、
何度目かの赤子のドップラー。
不条理を流汗で洗い清めたら、
平穏と消化、駆け算はお終い。
憂さは晴らせても計算は間違い。
二の腕の肌理だけが不幸中の幸い。
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