119. 八月下旬、還り、洞察

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八月下旬、かえり、洞察


 警官ばかりが泊まっている宿で、
 花札のマジックをするお婆さん。

 28番目を言い当てたとて、
 何が書かれていたっけな。

 ともあれくびれる手助けをした。

 それから友に手紙を書かせた。

 もう手遅れだとわかってて、
 二人で涙を流したっけな。


 リベンジマッチが許された門出。

 カリスマ性のある既卒者の参観。

 真っ暗になった教室は、
 彼の庭でありオペ室だ。

 監視カメラが捉えた初回の、
 一般公開が始まったらしい。

 私は「ホラーは苦手だから」と、
 物好きな教職員の勧誘を退ける。

 学校を離れた理由にはうなずける。

 映像に残っているのは私の顔。

 鏡に映っているのは赤の他人。


 明晰夢めいせきむのヒントをつかんだみたいで、
 最後には青々とした丘陵地帯で、
 いつも通りの裁きを下したのです。


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