190. 愁眉よ、開け

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愁眉しゅうびよ、開け


 空振りだった洋書まつり。

 勇ましく働く月給取りにも、
 地べたに群がる本の虫にも、

 全くもって成れそうにない。


 誰から見たって傷だらけだから、
 無傷の振りなんてお笑いだった。


 これ下ろし立ての晩秋思ばんしゅうし。

 たまにはこうよ、

 ハの字の眉を。


 板状ばんじょうマンションに不安心ふあんしん。

 子供嫌われの人生がつらいよ。
 ときの流れには逆らえないよ。

 顎を引き損ねた免許写真。


 無類の避け好きは毒だったから、
 他意のない言動に他意をかざした。


 これ下ろし立ての晩秋思。

 たまには刷こうよ、

 ハの字の眉を。


 総じて石化せっかする渾身こんしんうれいは、
 遥か先の巻雲けんうんの引き立て役だ。

 ペリルは袖をく回数だけったが、
 その摩擦係数はトレーニングの所産。

 デイリーハソーズの傘下で死ぬなら、
 その差はせいぜいトレッドパターン。

 肯定の飽和が疑われる頃には、
 語り尽くす無粋も薬になるさ。


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