=================== 絶念前夜 眠れない夜がありました。 悪心に喘ぐ私の代わりに、 ぽたりぽたりと落涙する、 少しだけ優しい夜でした。 朝が来るのが心底怖くて、 今を力業で延長しようと、 抵抗を試みた夜半でした。 明るむ部屋に呼吸が乱れ、 時計を見るたび身が縮む、 絶体絶命の夜明けでした。 成し損なった能事の数々、 折り重なった病気の数々、 全てに貫かれた夜でした。 その日は全てが真っ白な、 初めて本分を諦めた私の、 涙も涸れた水曜日でした。 ===================
67. 絶念前夜

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