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三月下旬、下り、追尾
自転車に乗って帰路に就く。
知らない道なのに懐かしい。
2人組の小学生が前方を塞ぐ。
見慣れたカーブで彼らを追い抜く。
2連続の段差に体勢が揺らぐ。
急な下り坂が危なっかしい。
瞬く間に小学生が追いつく。
前傾姿勢をとって急勾配へ踏み込む。
後を追おうとする者は誰もいない。
左手の道路でトラックが横転。
その後を走るトラックも横転。
ただし全てはドライバーの想定内。
それを察知しながらフリーフォール。
ロケ地に落ちて自転車は粉々。
大声が売りの芸人が右に。
私が大仕事を成し遂げたとか。
司会で忙しい芸人が左に。
ホウ素は物質ではないだとか。
切り替わったステージは商店街。
レストランの中で待ちぼうけ。
次々に入って来る客たちの上。
バランスを失くしたのは想定外。
少年誌を携えて店を出る。
本屋に行こうとして諦める。
確実に万引きを疑われる。
急ぎ足で帰路に就く。
女子高生が追いつく。
尾けられていたと気づく。
ブロッカーの小学生は近所の少年。
春風駘蕩な邦画に出ていた、
初々しい俳優が例のドライバー。
話しかけてきた芸人たちは、
就寝前のバラエティのメンバー。
ストーカーの女子高生は身元不明。
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